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PM雑記帳

■PMBOK ドリルダウン!_No.43
  PMにおけるマインドマップの活用 (3)

2006.02.22

 前回は、マインドマップの記述ルールについて説明しました。もう忘れてしまった人は、以下の前回講義で説明した記述ルールを思い出してください。
http://www.pm-university.com/home/lesson/drilldown/060208.html

  それでは、本日からマインドマップという道具をプロジェクトマネジメントにどう活用していくことができるか、皆さんといっしょに考えていきましょう。本日のキーワードは、「意志決定」です。
マインドマップは、PMBOKのコミュニケーションマネジメントのツールと技法に該当します。

 マインドマップは選択という意思決定を行なうのに、とりわけ有効なツールです。
希望、順位、制約などをマインドマップに書き込むことで、問題点をより明確に理解し、意思決定を行なうことができるようになります。
  意思決定マインドマップは、相対する要素を比較検討するためのものです。
  「家を新築するか否かを意思決定する」という事例を取り上げましょう。このようなとき、どんなマインドマップを描くとよいのでしょうか? まず、ある完成イメージをご覧ください。



 それでは、この事例を描いた手順を説明します。
1. 中央イメージとして、「新築建築」をイメージする絵や言葉を描きます。
2. 中央イメージから連想される最初の言葉(基本アイデア)として「妻」「子供」「環境」・・・と思いつくまま書き込んでいきます。
3. 次に、基本アイデアから連想する言葉を書けるところから記入していきます。
このとき、ポイントになるのが、「する」「しない」の2つの枝を必ず出し、そこに空想される言葉を書き込んでいくことです。
4. ひととおり記入しても決断がつかない場合、「する」「しない」について主観、直感的でよいので、事例のように点数化します。
5. 最後は、それぞれの点数を合計し、決断することになります。

次に、もう1つ事例を説明しましょう。
ITシステム開発プロジェクトで、製造工程を「内部要員」で完成させるか、「外部委託」で完成させるか迷っているとします。その場合の期待値をマインドマップで求めてみましょう。
  まず、完成イメージをご覧ください。



 それでは、この事例を描いた手順を説明します。
1. まず、内製か、外製か迷っている中央イメージを描きます。
2. 次に、基本アイデアを、「内製」、「外製」とします。
3. その下のレベルを「成功」「失敗」とします。
4. 更に、その下のレベルを「発生確率」「影響度」とします。
それぞれの値を求めます。
例えば、内製で、成功する確率を30%、影響を5,000万円(儲かる)
      内製で、失敗する確率を70%、影響をー20,000万円(損をする)
5. 内製、外製のそれぞれの場合で、期待値を算出します。
例えば、内製の場合では、
  期待値α=30% × 5000 + 70% × (−20,000)=−12,000万円
となります。
6. 最終的に、内製、外製か意思決定をする際の基礎情報として活用します。
この事例は、専門的には、リスクマネジメントの「デシジョンツリー分析」を使用しています。
若手の育成方法として、あまり難しい専門用語を用いずに、マインドマップ意思決定の一部として教えても良いのではないでしょうか。

 それでは、本日のまとめに入ります。
本日は、二者択一で考えるダイアディック思考法をマインドマップで実践してみました。
二者択一とは、2つからひとつを選び出す(ダイアディック)という意思決定です。
  二者択一的な決定は、序列を作る第1段階であり、評価決定の一部でもあります。また、はい・いいえ、より良い・より悪い、より強い・より弱い、より効率的・よい効率的でないといった、単純な選択が含まれています。
 
  二者択一のマインドマップの利点は以下の通りです。
1. 問題をすべて明らかにすることができるので、脳が、複雑に関連し合うさまざまな情報をただちに理解することができるようになります。また、すべての問題を考慮に入れることができるよう、連想のための枠組みを作ることができます。
2. 脳の幅広いスキルが使えるようになり、より広い観点から検討したうえでの決断がくだせます。
3. イメージ、色、次元化という要素により、決断のプロセスが創造的なものになります。
4. 意思決定という難しい問題に、イメージを加えることで、コミュニケーションを円滑にする材料の一部となります。

 本日の講義はここまでにしましょう。
皆さんも、身の回りの意思決定の場面で本日の講義を実践してみてください。
その効果がご理解頂けると思います。
次回も、プロジェクトマネジメントにおける実践的な活用方法について考察していきましょう。ご期待ください。



参考資料: 「マインドマップ、トニーブザン、ダイヤモンド社」
「マインドマップ ノート術、ウィリアムリード、フォレスト出版」
「マインドマップ ノート術、きこ書房」