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PM雑記帳

■PMBOK ドリルダウン!_No.39
  PM定量化の実践技術 (19)

2005.12.21

 前回は、C.Jonesが定義している欠陥除去率の定義、およびその実践活用方法として、欠陥データマトリクスを考察してきました。
今日は、「欠陥除去率」の値が世間ではどの位の数字で設定されているか説明しましょう。そして、皆さんは、自分の組織がどこに位置するかについて考えてみてください。
PMBOK では、品質マネジンメントに該当します。

まず、潜在欠陥と欠陥除去率を2軸にとって、米国平均、ベストインクラス企業などを位置つけてみましょう。




欠陥除去率を眺めてみましょう。
  不当行為の企業 :約60%
  米国平均     :約80%
  ベストインクラス :約95%
として評価されています。皆さんの企業は、どの位に位置するでしょうか?
どの位か数字を取っていないのでわからないといった方がてきでしょうか?

 次に、米国SEIのCMMを活用して、そのレベルに到達している組織の欠陥除去率を眺めてみましょう。
  まず、CMMレベル1の組織の特徴は、以下のようです。
  1.ソフトウェア開発アプローチがあまり進化していないため、スケジュール遅延、コスト超過や品質不良の品質が多いことになります。
  2.また、テストにもっとも費用と時間をかけてしまうことになります。この現象の根本的な原因は、レベル1の組織の成果物は欠陥が多く、重要な品質要因の2つである欠陥予防とテスト前レビューやインスペクションが十分に行なわれていない点にあります。

 次に、対照的に、CMMレベル3の組織の特徴は、以下のようです。
  1.インスペクションのコストは増える傾向にあります。文書化には大きな変化はありません。
  2.品質に目を転じると、レベル3の組織では、欠陥予防と欠陥除去アプローチによる改善の結果、出荷時の残存欠陥は大幅に減少します。欠陥が減少したことで当然開発サイクルも短くなり、コスト効果も得られます。プロジェクトが遅延すると、欠陥の発見がテストの開始前までずれこむことが多い傾向があります。テストで重大な欠陥が発見されると、プロジェクトをうまくコントロールするには手遅れになります。欠陥予防と欠陥の除去をテストの開始前に行なうことが目標となります。
  それでは、2つの組織のケース間で、潜在欠陥数、欠陥除去率、納入時の残存欠陥数を比較してみましょう。
比較検討の前提
  1.アプリケーション種別:システムソフトウェア
  2.言語:C
  3.開発規模:FP 1000
           LOC 125,000

SEI  CMMレベル1とレベル3との欠陥レベルの差異




 この表から明らかなように、欠陥予防と欠陥除去を組み合わせることで、納入時の残存欠陥を著しく減少させることができます。
  欠陥の発見と修正は、ソフトウェア開発においてもっともコストと時間のかかるアクティビティであるため、予防やシンスペクションによる欠陥の事前除去で効果を上げたプロジェクトは、高い品質とともに、より短期のスケジュールと高生産性を達成できます。

 ソフトウェアプロセス改善は重要な研究テーマです。その重要性は21世紀でも増大し続けるでしょう。しかし、ソフトウェア技術の中には、うたたかのようにすぐ消えてしまうものもあります。目に見える成果を達成し、それを提示できない限り、プロセス改善技術への関心は急速に薄れて行くことになるでしょう。
  多少、本日はPM定量化から、一歩道を離れてしまいました。

 本年度担当分の記載はここまでです。
来年度も更にPM定量化の実践技術を充実させていきます。ご期待ください。
皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。



参考資料:「ソフトウェア品質工学の尺度とモデル、共立出版」
       「ソフトウェア開発の定量化手法」、Capers Jones著