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PM雑記帳

■PMBOK ドリルダウン!_No.30
  PM定量化の実践技術 (10)

2005.08.03

 前回は、WBSを用いた「進捗管理」について説明しました。
今日は、定量化の測定の必要性、測定に関する基本的な考え方を理解しましょう。
  ソフトウェアの測定も、ソフトウェア工学における他の技術と同様に、「銀の弾丸」すなわち特効薬ではなく、これひとつですべてが解決するわけではありません。しかし、測定をきちんと行なうことは、ソフトウェア開発のあらゆる面で客観的、正確性、再現性を高め、ソフトウェア開発の効率化に様々な側面から貢献することができます。
  成功するソフトウェア組織ではすべて、管理や技術的活動の一部として日常的に測定を行なっているのではないでしょうか。測定は、改善するための意思決定に必要な客観的情報を与えてくれます。
  現在では、ソフトウェアの測定は、ソフトウェア工学の主要な一分野に進化しています。過去、多くのソフトウェア組織は、測定を付加価値のないタスクとして扱ってきたのではないでしょうか。
  だが、近年は、PMI PMBOKのツールと技法として測定を取り扱っています。また、SEIのCMMIの成熟度レベル2の要求事項でも測定というKPが含まれているように、測定はソフトウェア工学の基礎的な実践事項と考えられています。CMMIレベル2を達成するために、測定を実践する上で何をどう進めて行けば良いのか手をこまねいている組織も多いのではないでしょうか。
  皆さんの組織、プロジェクトでは測定が適切にできていますか?
当然、効果が常に要求されるわけですが、測定がプロジェクト管理者の重要かつ不可欠なものと考えられるとき、それが発揮されます。
  では、CMMI等の上位レベルを達成している開発組織は、どのような目的で測定を利用しているのでしょうか?
  1.提案されたソフトウェアプロジェクトの計画作成と評価の助けとする
  2.計画目標に対する実績を客観的に追跡する
  3.ソフトウェアプロセス改善の判断と投資の指針とする
  4.市場からの要求に対するビジネスと技術全体の実績を評価する

 では、次に、なぜ我々はソフトウェアを測定するのでしょうか?
我々のIT業界は、激化する競合環境下で、膨大な情報資産を解発し維持するために多額の金額投資を行なっています。プロジェクトをより客観的に評価し管理する要求が高まることは当然の成り行きではないでしょうか。
  測定は、プロジェクト管理者がより良く仕事をするための助けとなります。ソフトウェア測定は、より現時的な計画を立て、少ないリソースを正しく配分してその計画を適切なものにし、その計画に対する進捗や実績を正確に追跡する助けになります。
  また、組織の差別化としての測定を行なう必要もあります。IT企業でトップクラスの実績をあげるためには、組織は正しい意思決定を行なうための正しい情報を定期的に必要とします。組織はより効率的になるために、またより良い品質の製品を生産するために情報を活用します。要するに、測定情報は競争のためのリソースであり、効率的な測定プロセスは組織を差別化することになります。
 
  それでは、成功する測定プログラムを実現するための成功要因は何でしょうか?
1.まず、プロジェクトの意思決定者の情報ニーズに直接関係する測定データを収集し、分析して報告する必要があります。ここでは、プロジェクトで設定した目的と、それに関連する課題に基づいて測定を定義し実装していきます。プロジェクトが進んで情報ニーズが変化すると、用いる測定量も変わります。
2.次に、プロジェクトの測定アクティビティと、それに関連する情報インタフェースを定義する構造的で再現性のある測定プロセスを組織内に持つ必要があります。そのプロセスは、特定のアプリケーション領域の特徴を押さえるためだけでなく、ソフトウェア開発における既存の技術プロセス、管理プロセス、環境をカバーするためにも、柔軟で適応性に富んだものでなければいけません。最も重要な課題に測定を集中しながら、測定プロセスを繰り返して実行しなければいけません。
  それでは、その測定プロセスの概要を示してみましょう。



出所:「実践的ソフトウェア測定、共立出版」


  このモデルは、典型的なPDCAの管理手順に基づいて、測定固有のアクティビティとタスクを支援するように作られています。測定プロセスモデルは、測定の実施を成功させるために欠くことのできない次の4つの主要な以下のアクティビティを含んでいます。
・ 測定計画を作成する
・ 測定を実施する
・ 測定を評価する
・ コミットメントを確立してそれを維持する

本日はここまでにします。次回からは、この枠組みを活用して、例えば「生産性」「品質」の測定の枠組みをどう構築し、どう活用していくことができるかについて考えてみたいと思います。
  お疲れ様でした。