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PM雑記帳

■PMBOK ドリルダウン!_No.23
  PM定量化の実践技術(7)

2005.04.20

今日は「目に見える効果的な進捗管理方法は何か」という問題について考えてみましょう。
PMの定量化の質を向上させるためには、進捗管理の改善は必須のテーマです。
進捗管理を目に見えるようにすることにより、
  (1)進捗の状況を正確に、短時間に把握できる
  (2)情報の共有によりグループ全体の中で個人の置かれている状況が把握でき、ポジティブなフィードバックができる
などが期待できます。


【進捗管理の現状と問題】
  近年のソフトウェア開発技術・管理技術の進展にかかわらず、納期遅れ・見積りオーバーはあとを絶たないことが多いのではないでしょうか?
    これは、実際の進捗管理には
  (1)開発初期などアウトプットが目に見えにくい段階では、適切な管理項目の選定が難しい
  (2)管理項目を選んでも、選定基準が明確でないため、一貫性のないものや曖昧なものになりがちである。
  (3)進捗管理の前提となる見積り手法が確立していない。
  (4)最近のWeb開発に対応した「軽い」進捗管理方法が明らかにされていない。
などの問題が存在することに起因します。


【2つの視点からの進捗管理】
  ここから、進捗管理を次のように分類して考えてみましょう。
 進捗管理
  (1)プロセス進捗管理
  (2)プロダクト進捗管理
1.プロセス進捗管理とは
  現在、一般的に行なわれている進捗管理における管理項目は、作業工数、レビュー時間、仕様書枚数、モジュール数、プログラム行数、障害件数など、ほとんどが作業実績・作業成果物の量をベースにしています。
  このように開発実績・成果物の量をベースとした進捗管理は、開発する製品そのものではなく、開発作業(開発者)のパフォーマンスに視点を置いたものです。言い換えれば、製品を開発・製造する開発環境としての性能を管理項目として、その管理を行なっているわけです。この意味から、従来の作業実績・作業成果物の量をベースとした進捗管理を「プロセス進捗管理」と定義します。
  それでは、ここからプロセス進捗管理の問題を考えてみましょう。
作成仕様書枚数や作成プログラムステップ数などの物理的な生産物で進捗管理を行なうと、その進捗度曲線は下図のようになります。

■α期の特徴
   詳細設計を想定してみると、初期の時点では、正式な仕様書として作成するのではなく、メモ書きや頭の中での作業となります。このため物理的な生産物としてのアウトプットは、0かまたはわずかです。
■β期の特徴
   モジュール毎の処理内容や入出力、データ設計などを行うこの部分では、「考える」というよりも「書き下す」という作業になります。進捗度は、作業日数に従いほぼ均等に上がります。
  このような進捗度曲線によってプロセス進捗管理を行った場合、以下の問題に悩まされることになります。
(1)生産物総量の見積もり誤りが分からない
  プロセス進捗管理での100%は生産物の見積もり予定数量です。生産物総量の見積もりが誤っていた場合でも、進捗度曲線は予定通りに進み100%となります。ただし、100%になった時点で作業が完了していないことが判明します。これでは手遅れになります。
(2)α期は進捗管理が難しい
  α期は、仕様書枚数などの物理的な生産物として進捗が現れてこない期間です。この期間中は、作業が進んでいるのか遅れているのかが分からず、またいつからβ期に入るのか分かりません。進捗管理が難しいのです。
(3)プロジェクト特性の影響を受けやすい
  開発実績・成果物の量をベースとしたプロセス進捗管理は、開発作業(開発者)に質的な変化がない場合には有効です。しかし、開発者の経験年数、開発言語、開発方法などの変化が起こると、それまでに蓄積したデータを使った進捗管理ができなくなるという問題を抱えています。
  次回は、プロダクト進捗管理について考えてみましょう。
お疲れ様でした。

参考資料:21世紀へのソフトウェア品質保証技術、日科技連





   リスクマネジメント (23)



【定量的リスク分析とは】
   まず、目的は、リスクの発生確率と影響度を数値的に評価し、対応が必要となるリスクを見極めることです。金額、数量が定量であることが、定性リスク分析と異なります。
      目標は以下の通りです。
   (1)定量化リスクの優先順位リストを作成します
   (2)プロジェクトの確率的分析を行います
   (3)コストとタイムの目標達成の確率を算出します
   (4)リスクの傾向の把握を行います
定量的リスク分析を進める上での留意すべき事項は、以下の通りです。
   (1)様々なツールと技法があります。その意味と使い方を理解する必要があります。
   (2)数値を出すことが目的ではなく、それをもとに判断することが重要です。
統計的、数学的分析手法は十分に理解してから行う必要があります。意味のないデータを何万回繰り返しても意味のない結果にしかなりません。複雑な要素に関するデータは正確に把握してから利用する必要があります。
まず、定量的リスク分析プロセスの計画を作成します。その際のポイントは、以下の通りです。
   (1)リスクについてより詳細な情報を得るためのプロセスであり、適切な手法を選ぶことも重要な要素となります。
   (2)報告方法をあらかじめ決めておきます。
   (3)スムーズに分析に入っていけるよう、関係者に根回しを行い、必要なデータを予め収集しておく必要があります。
計画が作成できたら、まず、インタビュー等で定量に関する情報を収集します。主観や定性的表現ではなく、数量で答えられる質問を準備しておく必要があります。この作業では、外部コンサルタント等専門家を活用すると良いでしょう。
インタビューでな、リスクについての意見を数量で答えてもらいます。具体的には、
  発生確率
  損失額とその内訳や根拠
などです。
また、数量で答えるための十分なデータを提供します。具体的には、
  プロジェクトの状況
  識別したリスクのリスト
 
  前提条件・制約条件
などです。
  それでは、次回より、いくつかの具体的手法の活用方法をご紹介します。
お疲れ様でした。