HOME > PMウェブ・サービス > PM課外授業 > PMBOK ドリルダウン-PM定量化の実践技術(3)、リスクマネジメント(19)
PM雑記帳

■PMBOK ドリルダウン!_No.19
  PM定量化の実践技術(3)

2005.02.23

前回は、ソフトウェア開発における定量化の重要性について説明しました。
今回は、定量化のベースとなる規模の計測の尺度(ファンクションポイント)について説明しましょう。
では教室の戸を開けましょう。


【FPについて】
まず、ファンクションポイント法の概要について説明します。
ファンクションポイント(FP)法とはソフトウェアの規模を数値で表す尺度法(機能尺度法)です。従来のプログラム行数(LOC)に代わり得るもので、特に2000年代に入り、Webシステムが本格的に普及するにつれてプログラム行数でソフトウェア全体の規模を表すのは困難に(ユーザにとって単一言語のLOCを計測するだけでは、利用価値が低く)なってきたために、FP法が注目されて普及し始めています。
では、次に、FPの計測方法について見ていきましょう。
まず、
FP法(機能尺度法)はソフトウェアの持つ機能に着目して算出する。算出対象ソフトウェアの要求仕様書から次の要素を摘出して数えます。
  • 内部論理ファイル
  • 外部インタフェースファイル
  • 外部入力
  • 外部出力
  • 外部照会
この要素それぞれについて、データ項目数やレコード数などにより3段階の複雑度を考慮してそれぞれの和を出し、それに規定の係数を掛けたものを総和します。




一方、ソフトウェアの動作環境等の14要因による影響度の評価を行い、システム特性係数を算出して上記の総和、を調整して算出した数値がFP値です。
これは現在世界でもっとも広く普及している IFPUG法と呼ばれている算出法です。 
IFPUG法の他に MARKU法、COSDES法、SPR法、FEATUREPOINT法、3D法 などがあり、それぞれに異なる特徴がありますが、いずれも機能に着目して算出する点は共通であります。

次に、FP法による規模の特徴を見ていきましょう。
プログラム行数(LOC)と比較して、次のような特徴があります。
  • 算出方法が客観的に定義(明文化)されています。
  • ソフトウェアの仕様からのみ算出されるので言語などの開発条件には依存しない値です。
  • 時代や国によらない共通の方法なので、生産性や品質を客観的に表すための規模指標として適しています。
  • ソフトウェアの持つ機能に着目して算出した値であることから、ユーザにとって、ソフトウェアの価値を示す指標になり得ます。
更に、次のような適用効果が期待されています。
  • ソフトウェア開発の見積りに適用することにより、見積りの客観的な評価ができて、双方ともに、より理解納得しよい契約が可能になります。
  • ソフトウェアの生産現場では、生産性や品質を客観的定量的に把握できるようになり、計画、実施、評価(PDC)が確実になります。
次回、PMの活動で、このFPをどう有効に活用できるか、事例を示したいと思っています。




   リスクマネジメント (19)


今日は、定性的リスク分析の具体的な作業の進め方について説明します。
では教室の戸を開けましょう。

定性的リスク分析では、リスク識別で識別したリスクの程度や状態を安定的に評価します。
具体的には、リスクの発生確率と影響度による分析を行います。
発生確率の評価方法は、
   −どのタイミングで
   −どのくらいの頻度で
   −何回くらい
を判断するのに必要な情報を収集します。
発生確率の評価は、(高い、やや高い、普通、やや低い、低い、、、等)の5段階で評価するのが、一般的です。3段階の評価では、やや粗すぎると思います。

次に、影響度の評価を行います。
影響度とは、  
   −計画からの乖離の度合い
   −プロジェクト目標からのズレの度合い
について、やはり、(大きい、やや大きい、普通、やや小さい、小さい、、、等)の5段階で評価するのが、一般的です。3段階の評価では、やや粗すぎると思います。

次に、リスクの点数付けを基に、リスクスコアを算出します。
リスクスコア=発生確率×影響度です
この場合、発生確率と影響度には、予め数字を入れておきます。数字で補っていくことになります。
次に、発生確率・影響度マトリックスによる分析を示します。
この場合、予めリスクマトリクスを作っておく必要があります。ランクをつけると、優先順位が付け易いメリットがあります。
リスクマトリクスへのマッピングのメリットは、予め数字を入れると、スコアが自動的に決まるということです。
具体的なイメージは、下図を参照してください。



本日の講義はここまでです。
次回は、このリスクマトリクスをどう活用するかについて説明します。