当課外授業No.3「スケジュール作成技法(1)」(2004年7月14日付け)で作業(アクティビティ)間の4つの依存関係について紹介しましたが、この中の「開始−終了」という依存関係について、実際にそのようなケースが想像できず、具体的な例を挙げて説明して欲しいという質問が寄せられましたので、ここで説明したいと思います。
まず始めにアクティビティ間の4つの依存関係をおさらいしておきましょう。(下記説明文は最新のPMBOKガイド第3版に沿ったものにしました。)
・終了−開始関係(FS = Finish-to-Start)
後続アクティビティの開始は、先行アクティビティの完了に左右される。
・終了−終了関係(FF = Finish-to-Finish)
後続アクティビティの完了は、先行アクティビティの完了に左右される。
・開始−開始関係(SS = Start-to-Start)
後続アクティビティの開始は、先行アクティビティの開始に左右される。
・開始−終了関係(SF = Start-to-Finish)
後続アクティビティの完了は、先行アクティビティの開始に左右される。
図で表すと次のようになります。依存関係を表す矢線は、すべて先行アクティビティから出て、後続アクティビティにつながっていることに注意してください。

| ・受講者が集まる。 ・セミナーを行う。 |
4つの依存関係はどのように表現されるでしょうか?
・終了−開始関係(FS):
「受講者が集まり終わったら、セミナーを始める。」
例えば、10分間のラグを見込むとすると、
「受講者が集まり終わって10分たったら、セミナーを始める。」
・開始−開始関係(SS):
「受講者が集まり始めたら、セミナーを始める。」
これはあまり実際的な例ではないので、例えば30分間のラグを見込んで、
「受講者が集まり始めて30分たったら、セミナーを始める。」
・終了−終了関係(FF):
「受講者が集まり終わったら、セミナーも終える。」
これもあまり実際的な例ではないので、例えば30分間のラグを見込むと、
「受講者が集まり終わって30分たったら、セミナーも終える。」
以上の3つの依存関係では、「受講者が集まる」が先行アクティビティ、「セミナーを行う」が後続アクティビティとなります。
次に紹介するのが、質問のあったSFの依存関係の例です。
・開始−終了関係(SF):
「セミナーが始まったら、受講者の入場を止める。」
例えば、10分間のリードを見込んで、
「セミナーが始まって10分したら受講者の入場を止める。」(下図)

この場合は、「セミナーを行う」が先行アクティビティ、「受講者が集まる」が後続アクティビティになります。
時系列的には、「受講者が集まる→セミナーを始める」という順序ですが、「受講者の入場を止める」というイベントが「セミナーが始まる」というイベントに依存するのであれば、これは上記のように先行アクティビティと後続アクティビティを決めて、SFの関係で表現するしかありません。
なお、リードとラグについてはPM Tools A to Z No.5を参照ください。
※PMBOKはProject Management Instituteの米国及びその他の国における登録商標です。