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PM雑記帳

■PM Tools A to Z_No.15
  人的資源マネジメント(1)

2004.12.29
今日はPMBOKにおける第9章「プロジェクト人的資源マネジメント」知識エリアにある「チーム育成プロセス」のツールと技法「チーム形成活動」に関連して、「対立解決マネジメント」について説明します。

プロジェクトの遂行に当ってはステークホルダー間でさまざまな対立が生じますが、その解決を図ることがプロジェクトマネジメント成功の大きな要素になります。

プロジェクトには通常何らかのインタフェースがありますが、インタフェースのあるところには対立が生じる可能性があります。
まず、このインタフェースについて整理しておきましょう。
プロジェクトのインタフェースには次の3種類があり、これらは同時に発生する場合も多いと考えられています。
  ・組織間のインタフェース
  ・技術的なインタフェース
  ・個人間のインタフェース

これらインタフェースの主体はステークホルダーです。つまりステークホルダー間のインタフェースがうまく取れないと対立が生じることになります。
このような対立を生じさせる具体的なものとしては、スコープ、スケジュール、コスト、リソース、プライオリティ、技術上の意見、手続き、個性などにおける相克する事象が挙げられます。
逆の見方をすると、対立が表面化していれば必ずそこに問題が生じているわけで、対立解決マネジメントは、直面している問題の解決を図ること、それと同時に将来のより大きな問題の顕在化を防ぐことをその狙いとしてなされます。
したがって、プロジェクト・マネジャーは先見性を持って対立の所在に目を向け、積極的にその解決に向けて対処する必要があります。

さて、対立解決マネジメントの技法としては次の5種類が知られています。
  (1)強制(Forcing)
  (2)平穏(Smoothing)
  (3)撤回(Withdrawal)
  (4)妥協(Compromising)
  (5)対決(Confronting)
(注:書物により日本語訳が異なる場合があります。平穏→鎮静、撤回→撤退、回避)

個々の技法を見ていきましょう。

  (1)強制(Forcing):権威を持った当事者による解決策の一方的な押し付け。
    これは場合によっては恒久的な解決方法にもなりえますが、最適とは限りません。
通常、Win-Lose(一方が不利益を蒙る)の解決法と言われています。
押し付けた方がWinであり、押し付けられた方がLoseということになります。

  (2)平穏(Smoothing): 対立している当事者同士の了解の下で、表面上争いを小さく扱う、いわば仮の解決法。
    問題は潜行して再燃する場合もあります。問題の再認識により再び対立が生じることになりますので、恒久的な解決方法とは言えません。
Lose-Lose(当事者双方が不利益を蒙る)の解決法と言われています。

  (3)撤回(Withdrawal):一方の当事者のあきらめ。
    一方の当事者が問題解決のための話し合いなどを拒否してしまいます。したがって、双方にとって問題は棚上げ状態にしかならず、最も悪い解決法と言われています。
時間が経てば問題が解消あるいは縮小するような場合に用いられることがあります。
これもLose-Loseの解決法です。

  (4)妥協(Compromising):当事者同士の譲歩により双方の主張のレベルを落とした解決法。
    当事者双方に良好な関係の維持が必要な場合にはこの方法がとられることがあり、明確な合意の下では恒久的な解決方法にもなりえます。
これは当事者双方にとって100%の満足は得られませんが、いわば ”give and take” の関係になりますので、WinやLoseの関係付けはありません。

  (5)対決(Confronting):問題解決手法(Problem Solving)ともいい、最適な対立解決方法。
    対決という日本語訳の語感からは想像しにくいのですが、当事者双方が客観的な事実の調査結果に基づいて議論を尽くして解決策を見出す積極的な姿勢を伴った解決法です。これは恒久的な解決法となり、これによって対立は解消され、Win-Win(双方にとって利益となる)の関係になります。



参考文献: 1.PMBOK(R)ガイド2000年版 PMI
2.PMP(R) Exam Prep-Fourth Edition, Rita Mulcahy, RMC Publications, Inc.
※PMBOKはProject Management Instituteの米国及びその他の国における登録商標です。