■PM Tools A to Z_No.9
品質マネジメント(1)
2004.10.06
今日からは品質マネジメントに関わるツールと技法を取り上げます。
PMBOKの品質マネジメントの知識エリアは品質計画、品質保証、品質管理の3つのプロセスから構成され、それぞれ順に計画、実行、コントロールの各プロセス群に配置されています。
本題に入る前にこれら3つのプロセスを品質システムの中に置いて、それらの関連性を見てみましょう。品質システムの例として図1のような品質システム体系(例)を掲げます。
図1 品質システム体系(例)
品質システムとは、企業や組織における品質保証体系をインプリメントしたものと言えます。即ち、どのような品質方針のもとで、どのような組織・人材で、どのような方法で管理を行い運営していくのか、その仕組みを示すものです。
品質システムを構築し、それを適切に運用することにより、顧客の求める製品・サービスが、所期の要件(スコープ、納期、コスト、品質など)を達成して顧客に届けられ、そのような成功が繰り返されることで顧客に安心感・満足感を与えることができます。これは品質保証、特に外部品質保証の目的のひとつです。
また、品質システムに求める要求事項を定めたものに例えばISO9001があります。
ISO9001の要求事項を満たす品質システムを構築・運用してその適切性を第三者(審査機関)が認めることで客観的な評価(認証取得)がなされます。
なお、ISO9001審査登録制度では、ISO9001認証取得が第一義の目的ではなく、その取得・継続の結果、顧客が満足する製品・サービスが生み出される仕組みが働くこと、その帰結として顧客と供給者が共に良い関係を保持して発展すること、これが目的であることを忘れてはなりません。
時々ISO9001の有効性を疑問視する声を聞くことがありますが、品質保証の本来の目的と役割を正しく認識することが大切だと感じます。
さて、前置きが長くなりましたが、PMBOKにおける品質マネジメントの「品質計画プロセス」と「品質管理プロセス」は、品質システムでは図1の「品質確保」と「品質確約」の両方に位置付けられると考えられます。それらは個々のプロジェクトにおいてプロジェクト・ライフサイクルを通して実行されます。
また、PMBOKの「品質保証プロセス」は、PMBOKガイドの説明では、まさに品質システム全体の運用(例えば図1全体)を行うこと目的とした記述になっています。しかし、そのインプット、ツールと技法、アウトプットの具体的な説明からは、もっと狭い意味での品質保証、例えば、図1の「品質確認」のプロセスを部分的にカバーしているにすぎないように見えます。このことがPMBOKの「品質保証プロセス」を理解しづらくしているのかもしれませんが、PMBOKが基本的にプロジェクトの側からの視点で作成されていることを考えれば、うなずけるものです。
したがって、品質システムの構築、その運用と継続的改善のループなどプロジェクトの周りからの視点で必要になるプロセスを理解するためには、ISO9001などを参照し、PMBOKを補完することが必要です。
| 参考文献: |
- PMBOK(R)ガイド 2000年版 PMI
- わかりやすいISO9001:2000 Information Mapping, Inc.著 日経BP社
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